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『金子順一論文集(昭和19年)』紹介
金子順一氏(以下、金子という)は、元731部隊員(1937年〜1940年4月)で、敗戦時は防疫研究室員だった。
戦後、金子は米軍から731部隊の活動について事情聴取を受けている(サンダース中佐の取調べに対する金子の1945年10月7日の供述は、『標的イシイ』264頁を参照。その供述内容は後記掲載)
『金子順一論文集(昭和19年)』は、東京大学に博士論文として申請され、1949年1月10日に医学博士号が授与された。
金子順一の博士論文は、以下の@ないしGの「防疫研究報告」に掲載された8本の論文を合冊して表紙をつけたもので、その表紙には(秘)とある。
@「雨下撒布ノ基礎的考察」
A「低空雨下試験」
B「PXノ効果略算法」
C「しろねずみヨリ分離セル「ゲルトネル菌ノ菌型」
D「X.Cheopis ノ落下状態ノ撮影」
E「滴粒ニヨル紙上斑痕ニ就テ」
F「X.高空撒布ニ於ケル算定地上濃度」
G「火薬力ニ依ル液ノ飛散状況」
上記8本の論文は、「軍事機密」と記された防疫研究報告第1部が7論文と、(秘)と記された防疫研究報告第2部が1論文である。
金子論文が発見されるまで、防疫研究報告第1部で発見されていたものは、平澤正欣の論文のみであった。
また上記の防疫研究報告第2部第791号は、不二出版から復刻された防疫研究報告第2部の中に入っていない未発見の論文であった。
▼金子論文はこちら(PDF
14MB)
▼各論文の解説はこちら
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表紙
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@「雨下撒布ノ基礎的考察」
第41号 受付昭和16年8月11日
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A「低空雨下試験」
第42号 受付昭和15年6月7日
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B「PXノ効果略算法」
第60号 受付昭和18年12月14日
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B「PXノ効果略算法」より
既往作戦効果概見表第一表 原表
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C「しろねずみヨリ分離セル「ゲルトネル菌ノ菌型」
第791号 受付昭和19年1月17日
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D「X.Cheopisノ落下状態ノ撮影」
第63号 受付昭和19年2月24日
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E「滴粒ニヨル紙上斑痕ニ就テ」
第62号 受付昭和19年2月7日
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F「X.高空撒布ニ於ケル算定地上濃度」
第81号 受付昭和19年6月16日
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G「火薬力ニ依ル液ノ飛散状況」
第82号 受付昭和19年7月1日
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