2005年2月19日〜20日
        「若者と語る日中関係」

      〜今こそ歴史を鑑に!日中間の友好と信頼が平和への道〜


日中講和と今日の日中関係

      関東学院大学 殷燕軍


【問題意識】
戦後日中関係の原点を探り、今日でも日中間の和解はなかったのか?

一、 戦後日中関係の原点
  1. 日中講和の原点――日中双方とも認める講和条約はなかった
  2.「日華平和条約」の限界と片面性―条約適用範囲条項
  3. 吉田政権が台湾政権を全中国の代表政府とは認めなかった
  4. 中国政府は終始「日華平和条約」の違法性強調
二、 日中国交正常化と両国民感情のギャップ
  1. 正常化の背景
  2. 両国民の受け止め方の相違
  3. 粗末にされた戦争処理と戦争責任
三、対中認識と事実とのギャップ
  1.「反日教育」か、国民の対日感情の現れか
  2. 対中感情の悪化と対日感情の未改善
  3. 個別事件と日中関係の全体図
  4. 中国の発展と民主化による日中関係の悪化?
四、転換期にある日中関係
  1. 中国にとっての日中関係
  2. 日本にとっての日中関係
  3. ライバルか、パートナーか?
結び:
  @日華平和条約で日中関係を律することは不可能
  A日中間のギャップと被害者国民感情の無視は両関係の未来に重い陰を
  B長い戦争同士の日中間に講和抜きにしては真の和解もなし

【参考文献】
 殷燕軍『中日戦争賠償問題』御茶ノ水書房、1996年
 ------「戦後日中関係における日華平和条約の意味」『歴史学研究』
     1998年3月号
 ------「日中国交正常化の再検証」『中国研究月報』2003年5月号
 ------「1960年代における日中関係の特徴」
     関東学院大学『経済経営研究所年報』2004年3月
 ------「日中国交正常化と台湾政権」関東学院大学『経済系』2005年1月号
 等。