《シリーズ・『裁かれる細菌戦』 vol.3_114ページ》






・何故こういうふうに伝染病が起こったか、細菌の攻撃を受けてから、どういう風に防いだらいいか、どのように処置をするのか難しいのが特長である。
・さらに毒ガスとの相違について、すぐ反応が現れない、攻撃を受けたという状況が分からない(臭いなどがない)、細菌は次から次へどんどん続いて伝染することを挙げ、この特長および違いというものが「細菌戦、細菌戦」とこの頃やかましく言われ、どこの国も一つ使ってみよう、大いに戦果を発揚してゆこうと企図している大きな理由である。
・個々の攻撃の仕方については、飛行機を使って病気にかかっている昆虫を上からばら撒く。例えばペストをもっているノミ、発疹チフスを媒介するノミなどを上からばら撒く、病原菌を含んでいる動物の排泄物、動物─モルモット、ネズミを撒くことを提案している。
・細菌戦の準備のためには、都市辺りの衛生上の状況、地誌を調べておく必要がある、病院をもっているか、伝染病を研究するところはどんな風か、どんな研究をしているか、普段から調査する必要がある。
・全体の衛生の状況が非常によければ伝染病は流行しない。予防接種液はどのくらい作ることができるか、その民族がどんな習慣をもっているか、非常に綿密に調査しておく必要がある。
 また、細菌戦の防御についても以下のように述べている。
・細菌戦攻撃とは、一面的にいうと卑怯なものである。一面からいうと気持ちの悪いものである。今に叱られるだろうという嫌な感じがする─これをどういう風に防ぐかが非常に大切な問

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